医療サミットさいたま'97

どうするこれからの在宅医療
--「往診制度」が必要だと思いませんか!--

当日の様子

1月12日に無事、「医療サミッさいたま'97」を開催、閉会することができました。
各パネラーの方々には、親切丁寧なお話を聞けて、これからの在宅医療に関しての貴重なお話を聞くことができました。

昭和22年には病院死9.2%家庭死90.8%と、ほとんどの人が住み慣れた我が家で、家族に看取られて死んでいました。しかし現在では、病院死が75%(平成3年)で10人の内8人が病院で死を迎えています。多くの人が「最後まで自分の家で暮らしたい」という気持ちを強く持っていても、なかなかそうはいきません。

「自分の家で・・・」という選択肢をなんとか作れないのか−−−今回の医療サミットは、そのことを医療者と行政と市民が同じテーブルについて、話し合うものです。

パネラー

【行政】
   宮山徳司氏
(埼玉県事務吏員)
【医師会】
   湯沢 俊氏
(大宮医師会理事)
【医療】
   太田秀樹氏
(おやま城北クリニック院長)
【看護】
   古橋洋子氏
(臨床看護学研究所主任研究員)

◎とき1月12日(日)
午後1:30〜4:30
に行われました。
◎ところ
与野市産業文化センター
与野市下落合5-4-3
TEL 048-854-0486
JR埼京線 与野本町駅下車
徒歩4分
京浜東北線 与野駅下車
徒歩15分

主催
後援
市民の医療ネットワークさいたま
生活介護ネットワーク
ザ・リボン浦和
高齢化社会を考える浦和市民の会
ステージ1
読売新聞社・朝日新聞浦和支局・
毎日新聞浦和支局・埼玉新聞社・
大宮市・生活協同組合さいたまコープ・
生活協同組合ドゥコープ・
生活クラブ生活協同組合


どうするこれからの在宅医療
私たち市民の生き様が問われています。

市民の医療ネットワークさいたま他4団体主催の「往診」と「在宅医療」を考えるパネルディスカッション「医療サミットさいたま97」が、1月12日、与野市で開かれました。

パネラーは、在宅・往診に積極的に取り組んでいる
「おやま城北クリニックの太田秀樹先生
「大宮医師会在宅担当理事の湯沢俊先生
「臨床看護研究所主任研究員(前埼玉医大教授)の古橋洋子先生
「埼玉県高齢者福祉課の宮山徳司課長補佐」の4人。

その他の写真
(5.51KB、6.08KB、42.8KBの3点)

このサミットのメインテーマは、「我が家で死ぬ」つまり多少体が不自由になったり病気になっても、「出来る限り長く住み慣れた我が家で暮らし続けられる」システムを、私たちの住む町で作れないか、ということです。
今、10人のうち8人が病院で死んでいます。しかし、新潟県の雪国やまと総合病院では、「地域医療・地域福祉は死に場所作りである」として、病院のベッド上だけでなく、特別養護老人ホームやホスピスなどの施設、あるいは住み慣れた我が家など、自らが望む場所で死ねる医療・福祉体制をすでに作っています。
では今、私たちの暮らす埼玉の現状を見たときに、どうなのか?自分の町に特養はあるのか、ホスピスはどうなのか、往診してくれる医者はいるのか、介護とホームヘルプの行政サービスは出来ているのか−−私たち市民一人ひとりが調べなければならないことが沢山あります。


サミットでは、1.往診・在宅医療の現状 2.私たちが求める在宅医療の姿とそのために何をしたらいいのか、を中心に議論しました。


1.往診・在宅医療の現状

  • 開業医の平均年齢は60歳を越えており、いまの開業医に往診・在宅医療を担えといっても無理。しかし、1980年以降医者になった若い先生の中から、往診・在宅に積極的な人が出てきつつある。
  • 開業医一人では、せいぜい5人が限度。何人かの医者がチームでとりくむ形が必要だ。
  • 問題は介護力と療養環境。とくに介護力の点で、都市型の場合は家族が少なく在宅の条件がない。家族に代わる介護力を、地域で作りだすことが不可欠だ。
  • 医療は民間まかせできたので、行政の施設から在宅にいたるシステム作りが遅れている。

などの話が出され、医療面では往診・在宅が進む条件があることが明らかになりました。
問題は、介護とホームヘルプで、家族や親戚でなく「赤の他人の手を借りる」覚悟を持つことと、誰もがそうできるような地域の医療・福祉システムを作ることの大切さを知らされました。

2.私たちのやるべきこと

最後に、4人のパネラーから私たちに次のようなアドバイスがありました。


古橋洋子氏

医者と患者のコミュニケーションが一番大切です。自分のわからないことは、どんなことでも出来るだけ詳しく納得のいくように聞くことが、うまく医療を利用できることになります。在宅医療を受けようとするときにも、分からないことや不安なことなどをしっかり聞いて、納得のいく形で、選択したらいいと思います。


湯沢俊氏

かかりつけ医を持ってほしいというのが第一です。そして、介護やホームヘルプについては、医師や患者も勉強して、行政がどんなサービスメニューを揃えているのか、また市民団体がどういう活動をしているのか、など正確な情報を得て、そういうものを適切に利用できる知恵を持って欲しいと思います。


宮山徳司氏

市民は医療を受ける権利を持っていますが、同時にみずから選択する自己責任もあります。私も含めて、介護を受けやすい高齢者・医療を受けやすい患者になる努力も必要です。もう一つは医療情報の共有です。カルテがICカードになり、それを持ち歩く時代もそう遠くないと思います。個人情報の保護との関わりで難しさもありますが、市民の皆さんの方でもぜひ議論を進めて下さい。


太田秀樹氏

こうした市民の運動が大きくなることが、医師の意識改革につながると信じています。またインターネットや電子カルテ、在宅へのパソコンの活用など、機械がすごく進歩しており、世の中が大きく変わりますし、世界的な基準で通用する医療をめざして努力している医者も出てきますから、悲観しなくてもいいと思います。
「お医者さんリスト」を作りのはいいことだと思います。できれば、医者と一緒に作ったらもっといいものになると思います。
医者も、一生懸命信頼を得るように努力している
ことを、皆さんに伝えたいと思います。